『コンピューターで「脳」がつくれるか』を読んだ
発売前から大人気だった kazoo04 さんの『コンピューターで「脳」がつくれるか』を読みました。
元々人口知能には興味があったのですが、書店で目にする人口知能を扱った書籍は自分にとっては難しいものばかりで、 集合知プログラミング に手を出してみるもすぐに挫折してしまいました。読んでいてなるほど面白いなと思えたのは 『マッチ箱の脳(AI) - 使える人口知能のお話』 くらいでした。それが2013年の話。
それから時は経ち、マッチ箱の脳みたいな読みやすい書籍はないかなと思っていたところ、かずー氏さんが人口知能に関する本を出版するというツイートを見かけて、即買いしました。
どんな本?
人口知能の本です。ざっくり以下のような内容でした。
- 人口知能と一口に言っても、実は特化型AIと汎用AIという分類ができ、それぞれどう違うのか
- そもそも知能を支える脳って一体どうゆう仕組みなのか
- 特化型AIはどのようにして実現しているのか、機械学習をもとにしたアルゴリズムの解説
- 脳の仕組みや特化型AIのアルゴリズムを交えながら、汎用AIはどうすれば実現できそうなのか
- 汎用AIが実現したときに何が起こるのかなど、未来の話について
著者のかずー氏さん自身も本書のFAQをまとめているので、興味を持った方はそちらを一読するのがよいかと思います。
感想
人口知能の本なので機械学習などのアルゴリズムが分かりやすく解説されているのかなと思っていたのですが、まさか人間の脳の働きについても解説してるとは思いませんでした。けれど、汎用AIを実現する上で人間の脳の仕組みを解き明かすことは重要であることが分かりましたし、未だ解明されていない部分の多い人間の脳は改めてハイテクなんだなあと感じられる内容でした。
さらに、以下の点が本書を読みやすくかつ面白くしているのだと思いました。
- 数式が1つも出てこない
- 未来の話をしてくれる
数式が1つも出てこない
人口知能を扱った書籍はだいたい大学数学レベル以上の数式が載っており(個人的所感です)、パラパラと読むだけでも「うっ頭が...」となってしまうのですが、本書は自分のような方でもすんなりと読むことができます。読む上で、数学と向き合う心構えが必要ないというのはとても安心させられました。
未来の話をしてくれる
実際に汎用AIが実現すると世界がどう変わるのかという疑問にも答えてくれています。SFでいうAIによる人類支配の可能性の話から、雇用問題のような人間との付き合い方の話など、汎用AIと人間の未来についての話で締めてくれるのは個人的にとてもワクワクさせられました。
まとめ
本書でもはじめに触れている通り、人口知能入門の最初の一冊に最適な書籍でした。かずー氏さん本当にすごい...。
自分が冒頭で触れた 『マッチ箱の脳 - 使える人口知能のお話』 は、特化型AIを実現しているアルゴリズム(遺伝的アルゴリズムやニュートラルネットワークなど)についてイラストを入れながら丁寧に説明している書籍なので、本書を読んで特化型AIに興味が出てきた人はこちらもおすすめです。
けれど、汎用AIについてさらに詳しく知りたくなった方は次に何を読めばいいんだろう...。教えてかずー氏さん!
その後
かずー氏さんがリプライで『考える脳 考えるコンピューター』という書籍を教えてくださったので、次はこれを読もうと思います。ありがとうございました!
@ku00_ ご感想ありがとうございます。次の本としては、「考える脳 考えるコンピューター」はどうでしょう?
— かずー (@kazoo04) October 2, 2016
- 作者: ジェフ・ホーキンス,サンドラ・ブレイクスリー,伊藤文英
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/03/24
- メディア: 単行本
- 購入: 15人 クリック: 141回
- この商品を含むブログ (107件) を見る